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2018.11.25 進路指導室

進学か就職をしなければならないと昭和の大人は言うけれど






「はい、牛丼を食べます」


30年以上前、高校3年生の私がそう答えたのは、

柔道部を引退し、池袋PARCOでアルバイトを始め、

最初の給料で何を買うかを聞かれた質問に対して。









時給400円、

牛丼350円。

牛丼1食までの道のりは、今とは比較にならないほど遠かった。

いま、東京の最低時給は1,000円に近いから、

牛丼なら1時間バイトすれば3回いける、ちょっと羨(うらや)ましい。












昭和の時代、就職しないと生きていけなかった。

フリーターという言葉はなかった。

アルバイトで自立することは困難だった。

風呂なしのボロアパートでも家賃は都内なら40,000円だった。











昭和を生きた人にとって、

就職しないことは、ありえない選択肢だった。












就職は、新卒限定だった。

転職は今のようにメジャーではなかった。

学校を卒業したら就職し、

男子は定年までの38年間、

女子は結婚する25歳まで、

「勤め上げる」のが正しい人生であり、

転職をする、

結婚しても辞めない、

それはレールをはずれるような行為と思われる窮屈(きゅうくつ)な時代だった。

大人が就職にこだわるのは、

そういう昭和の社会の空気を経験してきたことが大きいだろう。















いまは、ずいぶん違っている。

アルバイト時給はあれから3倍近い。

一方で牛丼は300円程度のまま。

昔はおしゃれにもクルマにもお金がかかった。

クリスマスはホテルでフレンチは普通だった。

いまはファストファッションがあり、シェアカーがある。

ホテルでなくても素敵なお店がずいぶん増えた。












そして、就職は安定の生活でもなくなってきている。

財閥系の名門企業でさえ、

倒産し、

あるいは外資に吸収され、

従業員の待遇は不安定。

満員電車、出張、転勤、単身赴任に服従しなくてはならないのは昔と変わらない。













大人は、昔の価値観から抜け出すのがとても苦手だ。

自分の子にも同じ価値観を共有させようとすることもある。

親も教員も、昭和の価値観そのまま大人になっている人も少なくない。



「大学へ行かないの?」

「就職どうするの?」


昭和人からそう聞かれる高校生も多いのではないか。













当時と今の、決定的な違いは、

人口が増えた時代から、急激に減る時代に入ったこと。

2100年には日本の人口は半数になる。

一発逆転で増えることは絶対にない。

日本の長い歴史の中で、戦争と疫病を除いて人口が急減したことはない。










また、日本人の平均寿命が100歳を目指すことが予測されているが、

この突出した長い人生を、人類はまだ経験していない。

70歳から100歳までどうやって生きてゆくか、

大人のモデルがないために、

昭和人は不安で悩んでいる。

子どもに老後の面倒をみてもらう気まんまんの親もいるだろう。

自分の大切な人生のうちの30年を親の介護で犠牲にすることは、

たいていの人にとって悪夢だろう。











日本が経験していない人口急減、

人類が経験していない寿命急増。

そんな未知の時代を生きる21世紀生まれの人たちは、

昭和の価値観に振り回されることなく、

自分が信じた生き方を大切にしていいのではないか。















通信を卒業する高校生の40%が、

卒業直後に就職も進学もしないという統計がある。

「進学も就職もしないなんて、問題だ」

という昭和人間の価値観が聞こえてきそうだ。








たとえ、他の人の価値観がどうであっても、

自分が選んだ自分の人生を大切にすることを、

若いうちに選んだのが通信の高校生、

といったら褒(ほ)めすぎかもしれないが、

通信を選ぶ時点で、何らかの古い価値観とのたたかいがあったと思う。











人類がまだ経験していない長い人生を幸福に生き、

人口急減の社会で、外国人の友をもち、

豊かな人生を送るモデルとなれれば素晴らしい。

通信の高校生はそんなモデルになる可能性を秘めていると信じている。

昭和の人間だが、新しい価値を常に敏感に探し続けるのは楽しい。

もし、あなたが古い価値観に苦しめられることがあれば、

旧人類が何か言ってる、くらいの受け止め方でもいいのではないか。

就職をしなくても、誠実に仕事をし、

進学をしなくても、学ぶことを忘れない、

十代でそういう習慣をつけることができれば、

どのような時代になっても、

仕事に困るようなことのない、

世の中に適応しながら自身の人生を主体的に生きていけるはず。

















































2018年11月25日(日)

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