「教える」という立場になった人が
謙虚な心根を持つためのちょっとした思考のコツを
今回はお伝えしようと思います。


それは「教える」立場の人間が「実は教わっている」
という事実をいかに実感を伴って受け止めることができるか？
ということです。


例えば、AさんがBさんに数学の「三角比」を教えるとします。

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Aさんが一生懸命に自分が理解したことを説明します。（①）
しかし、Bさんは首をかしげています。

ここでAさんが直面しているのは、
Bさんがなぜ理解できていないのかというBさんの頭の中（②）の謎と、
「三角比」をちゃんと説明するために必要な最低限のロジック（③）をクリアしているか、
ということです。

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以前から挙げているレベル５（無意識的有能の意識化）は、
自分以外の人に伝達できるレベルでないと、片手落ちです。
①の段階でも本人の中では意味がなくはないですが、
レベル５の段階で期待したいものは得られません。


他の人に伝わってなんぼと考えると、
②③をクリアするのは重要なことです。
そしてこの②と③を別物ととらえるのではなく、
ほとんど同じものと捉えることが、
謙虚な心根を持つ第一歩です。


要は、②の部分で「なんでわかんねえんだ！タコすけ！」
というように相手のせいにしてはいけないのです。

少なくとも目のまえにいるBさんを納得させるだけの、
「説明力（つまり③）」を自分は今持っていないんだな、ととらえるのです。
自分が無能であると、しっかり把握するのです。


そしてBさんの頭の中を想像しつつ、新しいロジックを
考えてみるのです。それはこの場合だと、「三角比」を
より深く理解することにつながります。
そしてそこに「教える」という行為の創造性が
あるわけです。


むしろ「なんでわかんねえんだ！タコすけ！」といいたくなる
ような相手ほど、「教える」方としては勉強になるわけです。



このようにとらえれば、偉そうに
「なんでわかんねえんだ！タコすけ！」と
怒鳴っている人がいかに無能かわかると思います。


無能にならないためにも、
正しく謙虚な心根を持つようにこころがけましょう。



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