※原宿表参道シティーキャンパスは緑豊か。暖かい陽が射すR４教室。





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（電話の続き）


「先生、最近はテレビやラジオはやらないんですか？」


よく覚えてるなあ。15年以上も前の話だよ。


「覚えてますよ。テレビ局のスタジオに連れてってくれましたよね」


そんなことあったねー


「あのとき先生とMCやってた満島ひかりさんは今じゃ大女優じゃないですか」


そうそう、若手芸能人たちに漢字のクイズを出す番組だった。


「くりぃむしちゅーのラジオも全部聴いてましたよ。大学受験の話で先生と息合ってましたよね」


あのラジオ番組は思い出深い。センター試験対策の受験生あるあるシリーズが評判よくてね。


「またやってください」


ムリ言うなよ。もっとすごい予備校の先生が出てきたから私の出番なんかないよ。


「でもちょっと前に有吉さんの番組に出てたでしょ」


あー、もう４年くらい前かなあ。あれば芸能やってる生徒の番組で、私はおまけ。


「面接のやりとりが面白かったです」


頼む、記憶から消し去ってくれ。もう誰も覚えてないと思った。


「どうしてですかー　いいじゃないですかー」


まあ、恥ずかしい記憶なんだ。


「あの頃、芸能活動する生徒たくさんいましたよね。今もたくさんいますか？」


シティーキャンパスができる20年前までは芸能活動のために高校を辞める芸能人が多かった。

シティーキャンパスが芸能活動と通信制を結びつけて、高校卒業ができて大学へ行ける芸能人も増えた。

確かに当時の出演経験は今のシティーキャンパスの方向を決定する要因になった。

でも今はコロナ渦があって芸能プロダクションに所属する中高生の芸能活動を困難にした。

それでも、数少ない高校生芸能人が今も10人ほどシティーキャンパスを頼ってくれている。

コロナが明けて、また夢と希望にあふれた芸能人高校生が増えることを願うばかりだ。


「今度テレビ出演するときは教えてくださいね」


まあないだろう。テレビなどのメディアをとりまく環境も変化が大きい。
当時は今ほどネットも普及してないし、スマホはなかった。


「テレビに出ないならYouTubeとかインスタとかやったらどうですか？」


予定はないなあ。


「実はこんど会社説明会のYouTubeをやるんです。できたら観てください」


おー、それは観るよ。撮り終わって数年したら恥ずかしい気持ちがわかるよ。


「わたし、たぶん大丈夫です」


卒業生全員の人生が充実することが私の仕事であることを再認識させてもらった、ありがとね。









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