鹿島学園高校通信制ブログ


[ 320件 ]

2010年07月29日

引きこもり70万人、予備軍155万人

7月24日読売新聞一面トップ記事である。
この調査での引きこもりの定義は、
@普段は家にいるが、自分の趣味に関する用事の時だけ外出する
A普段は家にいるが、近所のコンビニなどには出かける
B自室からは出るが、家からは出ない
C自室からはほとんど出ない状態が6ヵ月以上続いている

引きこもり予備軍の定義は、次の4項目すべてを「はい」と答えたか、3項目を「はい」、1項目を「どちらかと言えばはい」と答えた人を言う。
@家や自室に閉じこもっていて外に出ない人たちの気持ちがわかる
A自分も家や自室に閉じこもりたいと思うことがある
Bいやな出来事があると、外に出たくなくなる
C理由があるなら家や自室に閉じこもるのも仕方ないと思う
君たちはどうだったかな。どちらかに当てはまってしまったかな。

引きこもりになったきっかけは何かとの問いには、
@職場になじめなかった=====23.7%:君たちなら「学校」
A病気=============23.7%
B就職活動がうまくいかなかった=20.3%:君たちなら「進学」
C小・中・高での不登校=====11.9%
D人間関係がうまくいかなかった=11.9%:君たちなら「友達」
E大学になじめなかった======6.8%
F高校・大学の受験に失敗した===1.7%

この問いを見てくると、お父さんもお母さんも、自分の背中を子供に見せていないということであろう。あるいは子供が見ようともしない親子関係なのであろうか。親子の「絆」、家族の「絆」は失われた言葉なのであろうか。

この「きっかけ」に列挙された「きっかけ」からは、情けなく、さびしい親子関係、家族関係が見えるようだ。
君たちが「今の状況になってしまったきっかけ」を問われて、君は、このようにはっきりと答えられますか。
もし答えられるとすれば、状況打破は簡単だ。きっかけとなったことを克服すればいいのだから。

克服とは、出来なかったことをできるようにすることだと言っているのではない。出来なかったこと、できない事を、そのまま受け入れなさいと言っているのだ。
学校になじめなかったことを、なじめるようにすることではない。なじめない自分をそのまま受け入れればいいのである。学校はなじめるから行く、なじめないから行かないというところではない。学校は学ぶところなのである。

就職活動がうまくいかなかったというのは、君たちなら、小・中・高・大への希望校進学ができなかったということになろうが、第2志望校でも、第3志望でも、滑り止めでも自分の今入っているところを現実として受け入れることだ。
自己評価はともかくとして、現時点における学校からの君への評価であり、家庭家族への評価なのである。その評価が間違いであったことを証明するのは、君しかいないのである。だからこそ、そこでの努力は、希望校在籍にも勝る好結果を生むのである。

人間関係がうまくいかなかった。人間関係がうまくいかない事なんて、10代の君たちから、70過ぎの私たちまで誰にでもあることだ。
上手くいかなくてもいいではないか。人間には、考え方や、価値観に相違がある。それ以上に相性とか虫が好かないとか理屈以前の問題もある。人間関係がうまくいくという場合の方が少ないのかもしれない。

もっと厳しく言えば、相性とか虫が好かないという理屈以前の問題を超越して、相手が自分に好意の目を向けてくれるような人間力、人間としての魅力をつけていくことだ。
そんな心がけで毎日を送っていると、ここで出てきたきっかけが引きこもりや不登校のきっかけにはならないで通り過ぎてしまう。
お父さん、お母さん、もっと子供たちに目を向ける余裕と自信を持ってください。自分のことだけで精いっぱいでは「親」が泣きます。

◇大相撲序の口「徳島」勝ち越し、序二段「森麗」負け越し
19日のこの欄で応援しようと呼びかけた「徳島」が勝ち越した。目の難病にかかりながら、見えなくなるまでは好きな相撲を取りたいと、大相撲に飛び込んだ、序の口「徳島」が勝ち越した。
一方、これも頑張り屋の序二段「森麗」は負け越してしまった。来場所は、また一番下の、序の口に落ちてしまうかも知れない。でも彼は頑張るだろう。38場所連続負け越しでも頑張ってきたのだから。2場所や3場所の連続負け越しぐらいでびくともするものではあるまい。
これからも、「徳島」の目が悪く進まないように祈り、好きな相撲をとっていられるよう応援しよう。
「森麗」の負けても挫けない強靭な精神力をもらえるよう応援し続けよう。

Posted by Kashima Gakuen |エントリーNo 327

2010年07月26日

萩原さん=全日本選手権をとった先輩がいますよ、頑張ってください

本学園湘南キャンパスの萩原みなみさんは、プロのテニスプレーヤーを目指しているという。5年ぐらい前になると思いますが、全日本女子選手権で優勝した鈴木選手は、湘南高校通信制の在籍者だと聞いています。

私は、これからの通信制は、全日制を凌駕する存在になると思っています。
感性豊かな君たちに最も適していると思う絵画、彫刻、陶芸、音楽、演劇など、芸術芸能分野のプロを輩出します。
野球、サッカー、テニス、水泳、ゴルフなどスポーツでもプロが輩出します。
特に、本学園は、鹿島アントラーズと密接な関係にあり、本学園出身者のアントラーズ入団も夢ではありません。本学園全日制からは、すでにアントラーズ入団者がいます。

芸術芸能、スポーツ分野だけではなく、学力の分野でも、通信制卒の東大合格者、京大合格者が出るのも、そう遠いことではないでしょう。
皆さんのいろいろの思いを、通信制の学び舎で実現してほしいものです。
通信制への夢と期待を、この第1回のブログ、2006年1月16日に「通信制こそ自己実現の学習の場だ」で取り上げました。

◇受験は地獄であるか
私が、英検準2級、漢検2級に合格したのは、平成8年、57歳のときである。
当時私が関わっていた、不登校生を受け入れていた学園で、そこを会場として英検、漢検をすることになった。ところが、受験者が会場と出来る人数に達せず、教員もみな受けることになった。
受験できる最高が、英検は準2級、漢検は2級だった。立場上それを受ける羽目になった。準備する期間はなかった。結果は合格だった。なぜ合格できたのか考えてみた。
受験戦争真っ只中を過ごし、受験地獄と言われていた時代である。しかし、その時の勉強が無駄ではなかったということが、40年後証明されたのである。地獄は天国に通じていたのである。

今の君たちも、別の意味で地獄を味わっているのかもしれない。
しかし、その地獄は、何年後か、何十年後か必ず天国へ通じる道を用意してくれているのである。人生における苦しみと楽しみは、死ぬ時にはイコールになるという。なら、若いうち、先に苦しんでおいたほうがいいだろう。歳をとってからの苦しみはみじめなものである。

◇60の手習い、70の手習い
60過ぎてからも、きれいな字を書いてみたいという気持ちは残っていて、書道をやりたいと思っていた。67歳のとき、書道の通信教育を始めたところ、1年もたたない68歳の時に脳梗塞で倒れ、書道はそこで挫折してしまった。
漢詩や和歌が好きだった私は、詩吟もやりたいと思っていた。詩吟は今では正月のTVでしかお目にかからなくなってしまった。
脳梗塞で倒れても、言語障害はないので詩吟ならできると思っていた。ところが、近くでやっているところがないのである。タウン誌の広告などを探してもどこにも募集の広告はなく、人に聞いても、知っているところはなかった。ところが、今通っているリハビリに、習っている人がいたのである。その人の紹介で、念願の詩吟を習うことになった。70の手習いである。

今日の「ニーチェの言葉」
−人を喜ばせると自分も喜べる−

誰かを喜ばせることは、自分をも喜びでいっぱいにする。
どんなに小さな事柄でも人を喜ばせることができると、私たちの両手も心も喜びでいっぱいになるのだ。

《知性と感性を磨く》
【感性の道場・アートスペース羅針盤】展示予定
○田村正樹絵画展=7月26日〜7月31日
○竹内宏臣展===8月2日〜8月7日
羅針盤−銀座線京橋駅2番出口徒歩2分・警察博物館となり
TEL:03−3538−0160

Posted by Kashima Gakuen |エントリーNo 325

2010年07月22日

夏休みの過ごし方

さあ夏休みだ。ゆっくり自分のペースで生活設計ができる。
学習計画もできる。
人間形成への取り組みもできる。
好きな絵を画きに出かけることもできる。芸術鑑賞もできる。
映画を見に行くこともできる。
音楽会に行くこともできる。
日本の伝統芸術である歌舞伎・能・狂言を鑑賞できるのは、夏休みを置いてない。
スポーツで汗をかくのもいい。甲子園大会を応援するのもいい。彼らの汗と涙から感動や元気をもらえばいい。

本を読むのも夏休みがいい。なにも難しい本を読む必要はない。
私が今行っているジョイリハという機能訓練施設に、若い女子インストラクターがいる。彼女は、古典や漢文が大の苦手、文法なんてさっぱりだった。そんな時、「漫画百人一首」に出合った。これなら私にも読める。それを機に百人一首に興味を持った。今では百人一首を全部覚えていて、各歌の由来など、エピソードまで知っている。

彼女から聞いた話をひとつ紹介しよう。
堤中納言定家(撰者の藤原定家)は百人一首のうち99首まで選び終えました。しかし、あと自分の歌が決まらないので、ある女性〔義理の母?〕に聞いてみると「藻塩の歌」がいいと言うので、この歌にしました。97番におかれています。
「来ぬ人を まつ帆の浦の 夕なぎに やくや藻塩の 身もこがれつつ」
私は、歌を知っていても、選ばれたいわれまでは知りませんでした。こんな話を聞くと、興味を持ってきませんか。一首一首どんな解説を聞かせてくれるのか楽しくなってきました。
これも不得意なものを克服するきっかけです。こんなきっかけを求める夏休みにしたいものです。

新聞のスクラップをするのもいい。私は、1歳の孫への遺書として、
「これって英語で?」「ニュースの英語」「時事英語に挑戦」「万葉こども塾」「愛書探訪」などを切り抜いている。
やりたいことは山ほどあるはずで、またそれをやれるのが夏休みです。

まず夏休みの計画表を作ってみましょう。
1.何をしたいのかを書き出してみる。やりたいことはすべて書き出す。
できるとかできないとかは考えない。
2.それをするためには何をしなければいけないかを書き出す。
3.2で書き出した項目の中に、同じ項目はないかを調べる。
4.出てきた項目の多い順に優先順位とする。ただし、夏休みでなくてもできる項目の優先順位は下げる。
5.これを、夏休みの日ごとの予定表に書き出していく。
6.できてもできなくても、毎日予定表を更新していく。
できたからよし、できなかったからダメと評価するものではない。この作業を続けていくことに意味がある。
7.これを夏休み40日間続ける。
8.40日後の結果で初めて自己評価する。
その評価を次の1ヵ月につなげていく。
9.中学入試や高校入試を控えているものは、その入試に向けて、同じ手順を繰り返す。
10.入試の結果が答えだ。自己評価と現実の答えの差異を分析し、さらに次ぎのステップへ進む。
この積み重ねが、君の人生だ。

今日の「ニーチェの言葉」
−楽しんで学ぶ−

例えば、外国語を学んでまだ少ししか話せない人は、既に外国語に通じて流暢な人よりも、外国語を話す機会をとてもうれしがるものだ。
こういう風に楽しみというものは、いつも半可通の人の手にある。外国語に限らず、やり始めた趣味は、いつも楽しくて仕方がないものだ。
けれども、そうであるからこそ、人は学ぶことができる。つまり、大人であっても、遊ぶ楽しさを通じて何かの達人になっていくのだ。

《知性と感性を磨く》
【感性の道場・アートスペース羅針盤】展示予定
○吉川雅基展===7月19日〜7月24日
○田村正樹絵画展=7月26日〜7月31日
○竹内宏臣展===8月2日〜8月7日
羅針盤−銀座線京橋駅2番出口徒歩2分・警察博物館となり
TEL:03−3538−0160

Posted by Kashima Gakuen |エントリーNo 324

2010年07月19日

ハンディに負けるな!!

君たちは汗を流したことがあるか。汗には身体と心の毒出しをしてくれる作用があるのだ。冷房の利いた部屋でじっとしていても、TVやゲームをしていても、何の解決にもならない。外に飛び出し、何も考えず、身体を動かし、汗をかいてみよう。

夏の高校野球予選が始まった。桐ヶ丘高校は、不登校経験者を受け入れている「チャレンジスクール」である。
その桐ヶ丘高校が東京の予選に出場した。芦花高校に1対13で敗れたが、憧れの甲子園目指して、高校野球に全力を出しつくしたことに拍手を送ろう。

青井高校には先天性の難聴で、補聴器を付けて出場した選手がいる。難聴を乗り越えてプロの選手になった石井裕也選手にあこがれたのだそうである。
アメリカのプロ野球には、片腕の「アボット」というピッチャーがいたと記憶しているが。
もう10年以上前になるが、私が出会った生徒の中に、やがて失明するという生徒がいた。病名は忘れてしまったが、筋肉の力が落ちて行ってしまうのだそうである。
彼もそのことを自覚しており、その時に備えて、今できることをするんだと、頑張って勉強していた。
彼は今何をしているであろうか。元気にやっているであろうか。

この名古屋場所に力士としてデビューした大相撲序の口西29枚目、「徳島」(15)(本名・田中司さん、香川県出身、式秀部屋)君は、まだ有効な治療法のない目の難病、レーベル病だ。「目が見える限り、土俵に立ちたい」という。応援しよう。
大相撲では、序の口38場所連続負け越し、史上最弱力士とまで言われても、めげず頑張っている「森麗」さんのことを以前書いた。今は一つ上がり序二段西124枚目にいる。
恵まれているものばかりではない。みんな与えられた現実をしっかり受け止め、強く、逞しく生きているのである。

私も半身不随というハンディを正面から受け止め、君たちとともに、ハンディを克服して、明るく、元気に生きていこうと思う。
津田左右吉の歌に
「明日いかにならむは知らず今日の身の今日するわざにわがいのちあり」
とある。

やればできるのである。そして明日の我が身はどうなるかはわからないのである。
君たちも好きなもので甲子園目指そう。スポーツばかりではない。文化活動でも、全国大会はある。
君たちの豊かな感性は、文化、特に芸術分野に才能を秘めていると私は見るのだが。その才能に花開かせるには、いい作品に触れ、刺激を受けることである。
その刺激が、才能を開花させる肥やしになる。

夏休み、私の感性の道場「アートスペース羅針盤」に足を運んでみよう。君たちの琴線に触れる作品に出会うことができるかもしれない。
近くの上野は、美術館、博物館、音楽ホールがある芸術の森である。
上野動物園もある。

「大昆虫博」が開催されているのを知っているであろうか。「日本人と虫たちの深く長い歴史」と副題がついている。「ヘラクレスオオカブト」「トリバネアゲハ」といった世界最大級のカブトムシやチョウの標本も見ることができる。虫好きには垂涎の的で、虫嫌いには宗旨変えを試みるいい機会になるだろう。
小泉八雲は、「本当に虫を愛するのは日本人とギリシャ人だ」と言ったそうだが、虫を求めて山や森に出かけた子供のころを思い出します。夏休みの自由研究に、昆虫採集をしたのも思い出です。
今は、虫も殺せないどころか触ることもできない優しい子供たちが増えているようです。
一方で、平気で人を傷つけてしまう子供がいます。
この両極端の存在をどう考えればいいのでしょうか。
「大昆虫博」に行って昆虫と向き合いながら500万種はいると言われる昆虫との共生を考えてみましょう。

漫画家で、虫好きのやくみつるさんは、東京のど真ん中でも虫は見つかりますと、山手線29駅を巡る「虫探し」の旅をしたそうです。君たちもどこか目標を立てて「虫探し」をしてみたらどうでしょう。

虫の面白さを一言で言うと、未知の世界を発見する喜び、と生物学者の池田清彦さんは言います。新種に巡り合えるかもしれないし、産地や分布について新しい発見もできる。
自然は未知がいっぱい。パソコンで得られるのは、すでに誰かが知っている知識だけです。

その「未知」を訪ねる「道草」はどうだろう。
道端の野草をとり、ペットボトルの水で洗い、その場で天ぷらやお浸しにして食べてしまう岡本信人さんを知っているであろうか。
岡本さんは『雑草なんてないんです。ペンペン草は、春の七草のナズナです。私は雑草と言わず「道草」と呼んでいます。』と言っています。面白いですね。岡本さんに親しみを感じるようになりました。
岡本さんが「道草本」を出しているようですから、その本を片手に道草を楽しむのもいいですね。

今日の「ニーチェの言葉」
−一緒に生きていくこと−

一緒に黙っていることは素敵だ。
もっと素敵なのは、一緒に笑っていることだ。
二人以上で、一緒にいて、同じ体験をし、ともに感動し、泣き笑いしながら同じ時間をともに生きていくのは、とても素晴らしいことだ。


《知性と感性を磨く》
【感性の道場・アートスペース羅針盤】展示予定
○吉川雅基展===7月19日〜7月24日
○田村正樹絵画展=7月26日〜7月31日
○竹内宏臣展===8月2日〜8月7日
羅針盤−銀座線京橋駅2番出口徒歩2分・警察博物館となり
TEL:03−3538−0160

Posted by Kashima Gakuen |エントリーNo 323

2010年07月15日

「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」に続く言葉は?

この言葉だけが有名で誰でも知っている。
君たちも知っているであろう。そして人はだれでも平等なのだと理解している。悪いことに、各種の能力まで平等だと勘違いしている。
馬鹿な学校や先生がいたもので、1等2等とつけるのは平等に反するということで、みんな1等なんてことがまかり通っている。
馬鹿ぶりでは親も負けてはいない。モンスター振りをいかんなく発揮している。学芸会では、主役の白雪姫が何人も登場する喜劇となる。
絶対評価という名目も、能力の差を認めることは平等に反するという認識からの発想だろう。全員が「5」である。

ところが、福沢諭吉のこの言葉には、次に続く言葉があるのだ。
「ただ学問を勤めて物事をよく知る者は貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人となるなり」と続いている。

人間としては、確かに誰も平等である。しかし「学問に勤める者」と「勤めざる者」の間には、おのずから格差が生ずるのである。
「練習に励むもの」と「励まざる者」と言ってもいいだろう。ノーベル賞をもらうような天才と言われる学者や芸術家、スポーツ選手も隠れた精進、隠れた練習が、その背景にあるのだ。

君たちの友達を見ても、早くできる人もいれば遅い人もいるだろう。
上手くできる人もいれば、下手な人もいるだろう。
丁寧に仕上げる人もいれば、雑に仕上げる人もいるだろう。
人間には能力差があるのだ。そして、その能力に磨きをかけるのがその道に「勤める」ことなのである。

君たちの今はどうだろうか。
「学問を勤めて物事をよく知る者」になろうとしているであろうか。
「学問に勤めず、無学なる者」になろうとしていないか。
大学入学システムそのものが、無学の者にも門戸を開いているのだから何をか況やであるが。
「学校は無理に行かなくていい。行きたくなったら行けばいい」
「学校でなくても勉強することはできる」
「自分のしたいことをやれるのは今しかない」
「勉強はしたくなったらすればいい」などと「無学なる者」への勧めの中に安住していないか。

私も君たちに言ったことがある。人生80年、この1年や2年が何ほどかと。
それは裏を返せば、二度と来ない一瞬一瞬を疎かにしていいということになる。そんな過ごし方でいいのだろうか。一瞬一瞬が君たちの命なのである。一瞬一瞬が君たちの人生を左右するのである。一瞬たりとも、その命を疎かにし、輝きを消してしまっていいのだろうか。

戦国時代は、戦争に明け暮れ、いつ死ぬかわからない時代だった。武士は、いつ死んでもいいように、「如何に死すべきか」と「死に甲斐」を求めて一瞬一瞬に命をかけ大切に生きてきた。
今はどうだろう、世界には地域紛争という戦争が絶えないが、日本は、それにかかわりなく60余年の平和を享受している。
いつ死ぬかという不安は誰にも存在していない。平均寿命も80年になった。「死に甲斐」から「生き甲斐」を考える時代になったのである。
どちらの「甲斐」にしろ「学問に勤めず」して得られるものではない。そしてその学問に勤めることは、君の今をおいてほかにないのである。「鉄は熱いうちに打て」なのである。

私は今、脳梗塞による後遺症のリハビリに勤めている。
「リハビリは無理に行かなくていい。行きたくなったら行けばいい」
「リハビリは、病院でなくてもできる。自分でもできるのだ」
「リハビリはしたくなったらすればいい」と君たちがきいている声に従っていたらどうなるだろう。
肘は曲がり、指は「グー」になり、手の感覚もなくなっていくだろう。回復はほぼ不可能になってしまうのである。一瞬たりともリハビリを忘れず、精進するものは、必ず回復するのである。1年や2年は長いのである。取り返しのつかないほど長いのである。

福沢諭吉の言葉は、
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず、ただ学問を勤めて物事をよく知る者は貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人となるなり」
とここまで覚え座右の銘としよう。

今日の「ニーチェの言葉」
−誰もが喜べる喜びを−

私たちの喜びは、他の人たちの役に立っているだろうか。
私たちの喜びが、他の人たちの悔しさを一層増したり、侮辱になったりしていないだろうか。
私たちは、本当に喜ぶべきことを喜んでいるだろうか。
他人の不幸や災厄を喜んでいないだろうか。復讐心や軽蔑心や差別の心を満足させる喜びになってはいないだろうか。

《知性と感性を磨く》
【感性の道場・アートスペース羅針盤】展示予定
○福井道顕個展==7月12日〜7月17日
○吉川雅基展===7月19日〜7月24日
○田村正樹絵画展=7月26日〜7月31日
○竹内宏臣展===8月2日〜8月7日
羅針盤−銀座線京橋駅2番出口徒歩2分・警察博物館となり
TEL:03−3538−0160

Posted by Kashima Gakuen |エントリーNo 322



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【作者プロフィール】 中島 清(なかじま・きよし)
K&Kコンサルタント代表、エッセイスト。

「財団法人 日本アウトワード・バウンド協会」評議員、「NPO法人 日本フリースクール協会」副理事長、「NPO法人 心と身体の健康から教育を考えるXing」監事。 平成19年(2007年)、脳梗塞で倒れリハビリ中。

東芝から�伊藤忠電子計算サービスに転じ、スピンアウト計画の推進者となるも失敗、退職・挫折・転落。

後、専門学校(情報処理科)の講師を経て、コンピューターのコンサルタント「K&Kコンサルタント」を設立。

平成6年(1994年)54歳の時、(株)社会教育事業団・武蔵国際総合学園に入社、不登校の子供たちと出会う。これを機に、「K&Kコンサルタント」を教育相談に衣替えする。

在職中に「NPO法人 不登校・引きこもり支援センターほっと倶楽部」を設立、副理事長に就任。

平成21年(2009年)3月、武蔵国際総合学園と特区立日々輝学園高等学校との合併を機に退職、退任。

現在、学校法人鹿島学園高等学校通信制のホームページで「中島清先生の元気がでるブログ」、K&Kコンサルタントのホームページで「独断と偏見」「IT講演」のブログを執筆中。




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